半導体クリーンブースの素材選定とは?
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記事更新日 2026年06月23日
クリーンブースを導入・設計する際、清浄度クラスやサイズと並んで極めて重要なリトマス試験紙となるのが「素材(フレーム・壁材)の選定」です。
特に微細加工が行われる半導体製造や精密機器の現場では、選んだ素材ひとつで静電気の発生率や異物吸着リスク、さらには素材自体からガスが発生する「アウトガス問題」による品質低下(歩留まり悪化)を引き起こす原因になります。
本ページでは、クリーンブースで使用される代表的なフレーム素材や壁(シート・パネル)素材の特徴、メリット・デメリット、そして半導体プロセスで失敗しないための選定基準について詳しく解説します。
クリーンブースの耐久性や耐荷重、そしてメンテナンス性を左右するのが構造骨組み(フレーム)です。一般的には「アルミ」と「ステンレス」の2種類が主流となっています。
| フレーム素材 | メリット(特徴) | デメリット(注意点) |
|---|---|---|
| アルミフレーム (アルマイト処理) |
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| ステンレス(SUS) ※SUS304など |
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ブースの内部環境を外部から遮断する「壁」の素材は、視認性(作業の見やすさ)だけでなく、半導体業界最大の天敵である「静電気(帯電)」へのディフェンス力に直結します。
簡易的なクリーンブースや、局所的な囲いで最も広く普及しているシート素材です。透明度が高く内部の視認性を確保できるほか、柔軟性があるため、作業者の出入り口やコンベアの通過部分に暖簾(のれん)状に設置することができます。
⚠️ 半導体製造における重大な落とし穴:
「帯電防止」と謳われていても、ビニール素材は摩擦によって静電気を帯びやすい性質があります。湿度が低下する冬場などは、カーテン自体に微粒子(パーティクル)が磁石のように吸い寄せられて付着し、それが作業時の気流や人の接触によって一気に内部のウエハへと脱落するトラブルが多発します。
シート状のビニールではなく、フレームに硬質な樹脂板をはめ込む「パネル式」の壁材です。ビニールカーテンのように気流でバタバタと揺れることがないため、室内の圧(陽圧)を一定に保ちやすく、見た目も本格的なクリーンルームに近い剛健な仕上がりになります。
窓が不要な外壁部分や、本格的な温湿度管理を行う中大型クリーンブースで採用される壁材です。表面に発塵しない特殊塗装が施された鋼板で断熱材をサンドイッチした構造になっています。
気密性と断熱性が極めて高いため、前述した「温度±0.1℃」といった精密な空調コントロールを行う際には、外気温の影響をシャットアウトするために必須の素材となります。ただし、重量が重く、ブースというよりは「建築物」に近い施工規模となるため、コストは大幅に上昇します。
一般的な工業用クリーンブースであれば安価な塩ビシートで事足りますが、半導体製造の現場では、素材そのものが品質リスクに直結します。
安価なビニールカーテンや一部のプラスチックパネル、気密性を高めるためのシーリング材(コーキング)からは、目に見えない有機ガス(アウトガス)が微量に放出されています。これがウエハ表面に付着すると、絶縁膜の耐圧不良やリソグラフィ工程での解像度低下など、原因不明の歩留まり悪化を引き起こします。
半導体前工程のブースでは、アウトガスの発生が極めて少ない「ノンアウトガス仕様」のアクリルパネルや、ガスレスのパッキン材を厳選する必要があります。しかし、これらの特殊素材は市場価格が非常に高く、ブース全体のイニシャルコストを大きく押し上げる要因になっていました。
多くの樹脂シートやアクリル板に施されている帯電防止処理は、表面に特殊な界面活性剤を塗布しただけのものが多く、時間が経ったり、クリーン剤で繰り返し拭き掃除をしたりすることで、その効果が徐々に薄れて(剥がれて)いきます。気づかないうちにブース全体が静電力を持ち、異物を呼び寄せる温床へと変貌してしまうのです。
導電性物質を樹脂の内部に直接練り込んだ、半永久的に効果が持続する「永続性帯電防止材料」を採用する、あるいはイオナイザーによる除電環境の強化が必要です。当然ながら、これも定期的な静電気測定メンテナンスや追加の設備投資が必要となり、企業のコスト負担を重くします。
素材選びで迷い、コストに苦しむ現場へのメッセージ
ビニールシートの劣化を気にし、高級な永続性帯電防止パネルやノンアウトガス鋼板を全面に敷き詰めて数千万円を投資する……。従来の「密閉して空間を囲うクリーンブース」という設計思想に縛られている限り、この素材のジレンマとコストの戦いから逃れることはできません。
もし、**「そもそも部屋を囲わない(壁やシートが存在しない)」**クリーンブースがあれば、こうした素材選定の悩みや、経年劣化による発塵リスクはすべてゼロになります。
興研のオープンクリーンシステム「KOACH(コーチ)」は、対向するユニットの間にプッシュプル気流を形成する【オープン型】。
ビニールカーテンの静電気対策に怯える必要も、高価なノンアウトガスパネルで部屋を囲う必要もありません。
壁のない開放的な空間のままで、半導体製造に必要なISOクラス1(クラス10相当を遥かに超える)の超・高清浄度を永続的に提供します。

半導体製造は、日本の地域経済の活性化に大きく貢献する重要な産業です。しかし近年では、原材料価格の高騰や光熱費の増加、さらに円安の影響により、各企業の努力だけでは乗り越えられない厳しい状況が続いています。
私たちのメディアは、こうした課題に対して有効なソリューションである「KOACH」の魅力や価値を、より多くの方々に届けることを目的としています。KOACHの認知拡大と導入促進を通じて、業界全体の変革と地域経済のさらなる発展に貢献していきます。
