クリーンブースの仕組み
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記事更新日 2026年04月15日
こちらの記事では、クリーンブースの基本的な仕組みや原理などについて紹介しています。クリーンブースの設置を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。クリーンルームとの違いについてもまとめています。
クリーンブースの内部は「陽圧」状態になっています。この陽圧状態は、周囲よりも圧力が高い空間の状態であり、陽圧の空間には外部から空気が流れ込みません。クリーンブースの場合、内部の圧力を高く保つことによって、ドアの開閉時やわずかな隙間から、外部からの空気がブース内に侵入するのを防ぎます。このように、例え外の間に隙間があったとしても、外部から塵や埃などが入り込むのを最小限に抑える仕組みになっています。
換気回数(Air Changes per Hour:ACH)は、1時間あたりに何回ブース内の空気が入れ替わるのかを示す指標であり、清浄度はこの換気回数によって設定されています。換気を行って内部の埃や塵を速やかに希釈・排出し、一定の正常な環境を維持する仕組みとなっています。
クリーンブースでは、内部の空気を素早く循環・浄化することによって埃や塵、微生物などの対流を防いで安定した清浄度を保ちやすくなるため、この換気回数が重要とされています。
FFUとは、送風用のファンと高性能なフィルターをセットにした装置を指しており、クリーン化に欠かせない空気清浄機能を担っています。ファンが内蔵されているために効率的に外部の空気を吸い込み、フィルタにて微粒子を除去した上で、クリーンな空気をブース内に供給できる仕組みになっています。
モーターの回転数の制御によって風量調節が可能なので、設置環境や求められる清浄度に合わせた運転を行えます。
ブース内をクリーンな環境にするための高性能なフィルターです。HEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルターは、JIS規格によると「定格風量で粒形が0.3㎛の粒子に対して99.7%以上の粒子捕集率を持ち、かつ初期圧力損失が245㎩以下の性能を持つエアフィルター」とされています。
また、より高い清浄度が求められている場合には、ULPA(Ultra Low Penetration Air Filter)フィルターが用いられます。これは、「定格流量で粒径が0.15µmの粒子に対し、99.9995%以上の粒子捕獲率を持つエアフィルター」であり、HEPAフィルターよりも高い性能を持つフィルターです。
これらのフィルターは非常に繊細であり放置していると目詰まりを起こしてしまうために定期的な交換が必要となりますが、ブース内の清浄度を保つのに重要な設備です。
クリーンブースの壁材や構造材は、その素材によって清浄性能や耐久性、清掃性に関係してきます。
例えば簡易的なブースや一時的な作業を行う際に多く用いられるPVC(ポリ塩化ビニール)や、分析室や試験室などに用いられるアクリル・ポリカーボネート、医療施設や医薬製造の現場などで用いられているステンレスなどがあります。
天井全体にFFUを配置し、清浄な空気が上から下に向かって一方向で流れる方式です。空気の吹き出し口・吸い込み口が垂直になるために空気の流れが平行になり、気流が乱れにくい点が特徴として挙げられます。ブース内全体を緊張に微粒子の少ない空間に管理することが可能な方法です。
天井や壁面の一部にFFUを設置し、清浄な空気をブース内に取り込み、内部の空気を希釈しながら清浄度を高めていく方式です。垂直一方向流方式と比較すると、少ないFFU数で運用可能であり低コストでの導入ができるため、一般的なクリーンブースで多く採用されています。ただし気流の「死角」ができやすく、埃や塵が溜まりやすい場所が発生する可能性がありますので、FFUの配置などに工夫が求められます。
クリーンルームは、建物自体の構造(建築物)として設計されることが多く、部屋全体を大規模に管理します。対して、クリーンブースの場合には、既存の部屋の中に「箱」を作るようなイメージで設置されるといったように、局所的な設備となっています。また、クリーンブースはクリーンルームと比較すると設置までの期間が短く、将来的な移設・拡張も比較的容易に行える柔軟性がメリットといえます。
クリーンルームの設置を行う場合には空調システムを含めた大規模な工事が必要となり、コストも大きくなることも珍しくありません。対してクリーンブースは必要なエリアのみをカバーするため、クリーンルームと比較するとコストを抑えた形での導入が可能です。
また、運用面についてもブースは空調負荷が小さく必要なタイミングのみ稼働させる運用が可能となり、電気代やフィルター交換等のランニングコストを抑えられます。
クリーンブースを運用する場合、空調が付属していないために熱対策が必要となります。ブース内に熱源がない、人がほとんど内部にいない場合であれば、さほど問題はないと考えられますが、夏の暑さ対策は必要になってきます。空調がなく温湿度の制御ができないため注意してください。
陽圧を維持するために空気をブース内に供給し、解放された隙間から排気口から排気を行います。ブースの内部は陽圧に保たれていますが、隙間からは虫や埃などが侵入してくる可能性が考えられますので、排気経路について注意が必要です。特に送風ユニットからの吹き出し方によっては、ブース内部において清浄な空気が行き渡らない部分が発生し、埃や塵が残ってしまう可能性があります。そのため、排気経路を十分に検討する必要があります。
クリーンブースは、陽圧管理と効率的な換気回数により、高い清浄度を持つ環境を低コストで実現できる設備です。設置する場合には、FFUや高性能フィルターなど主な設備について理解し、用途に応じた気流方式の選択が必要となります。ただし、熱がこもってしまわないように注意することや排気経路の確保など運用面での課題をあらかじめ把握した上での設計により、長期的な安定稼働に繋げられるといえます。

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